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秘密保持義務を負う職業

行政書士

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本項では、行政書士の秘密保持義務について解説しています。

行政書士は、官公署に提出する書類の作成、その提出等の当事者の代理、契約その他に関する書類の作成をおこなう職業です。行政書士には、行政書士法第12条により、秘密保持義務が課されています。

行政書士は、業務内容によっては、非常に機密性が高い情報を取扱います。このため、依頼する業務によっては、情報漏洩に注意する必要があります。

行政書士の秘密保持義務

行政書士は、官公署に提出する書類その他権利義務または事実証明に関する書類の作成、これらの書類を官公署に提出する手続等についての当事者の代理、契約その他に関する書類を当事者の代理人としての作成などをおこなう職業です(行政書士法第1条の2、第1条の3)。

また、これらの書類の作成についての相談に応じることもできます(行政書士法第1条の3第3号)。

行政書士が行政書士法で作成が認められている書類は実に多く、一説には、数千種類や1万種類もあるといわれています。これらの書類には、一般の方々でも簡単にできるものもあれば、高度な専門知識が必要なものまであります。

一般的な行政書士は、建設業、運送業、宅建業などの許認可の申請や、会社設立における定款認証など、官公署に対する手続きについて依頼者を代理することを職務としています(弊事務所のような契約書の作成を専門とする行政書士事務所は例外といえます)。

これらの手続きでは、所管する官公署や都道府県に対して、企業の内部情報や財務帳簿などを提出することになります。また、役員や重要な使用人(従業員)などの履歴書などを添付することもあります。つまり、行政書士は、職務として、企業にとって重要な内部情報や役員などの個人情報を取扱います。

このようなことから、行政書士には、行政書士法第12条により、秘密保持義務が課されています。この規定に違反した場合は、「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」が課されます(行政書士法第22条)。

なお、行政書士法は、依頼者との関係を直接的に拘束する民事的効果はありませんが、一般的には、これらの法律や行政書士法に課せられる善管注意義務を根拠に、行政書士は、依頼者に対して、当然に秘密保持義務を負っているとされます。

許認可の種類によっては要注意

上記のとおり、行政書士の主要な職務は、官公署を相手方とした手続きの代理です。このため、行政書士は、主に依頼者と官公署を相手に職務をおこないます。

この点について、官公署の職員には、国家公務員法第100条や地方公務員法第34条により、秘密保持義務が課されています。このため、行政書士やその職務の相手方である官公署から情報が漏洩する可能性は低いといえます(ただし、まったく可能性がないわけではありません)。

ただ、いかに可能性が低いとはいえ、許認可の種類によっては、行政書士は、かなり高度な機密情報を取扱うことがあります。特に、企業の許認可の申請のうち、複雑なものの場合は、決算書、事業計画、経営審査事項など、企業の根幹に関わる情報を取扱います。

当然ながら、これらの情報が外部に漏洩してしまうと、事業に支障が出る可能性があります。特に、銀行、取引先、競合他社に内部事情を知られてしまうと、取引が停止となったり、取引先を奪われたりすることも考えられます。

このため、情報漏洩のリスクが低いとはいえ、依頼者として行政書士を利用する場合、念のため、(準)委任契約書には、秘密保持義務を明記するようにしてください。なお、業界の悪い慣例として、一部の行政書士事務所では契約書の取り交わしすらおこなわないこともありますので、注意してください。

参考文献

  • 特になし

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最終更新日2011年9月23日