現在の閲覧ページ

トップページ > 参考文献(目次) > ビジネス著作権法

参考文献

ビジネス著作権法

本項では、秘密保持契約書の実務に参考となる文献のうち、『ビジネス著作権法』(荒竹純一氏著、産経新聞出版;2006年)を紹介しています。

著者の荒竹純一氏は、弁護士の方です。コロンビア大学ロースクール修士号も取得されています(巻末「著者紹介」より)。

本書は、著作権法の解説書ですが、類書とは違って、ビジネスの実務を重視した内容となっています。また、著作権法の性質上、非常に重要である判例について、豊富に掲載されています。

ビジネス実務を重視した著作権法の解説書

本書は、タイトルのとおり、ビジネスにおける著作権法について解説している書籍です。

法令の解説書は、とかくアカデミックな記述となりがちです。特に、契約実務には不必要な記載や、逆に契約実務には不十分な内容・机上の空論の記述がなされることがあります。

本書は、著者が巻頭の「はじめに」で「類書とは異なり、ビジネス実務に関連する部分に解説の重点をおいた」と記載しているとおり、契約実務上、非常に実用性が高い内容となっています。

特に、ビジネスの世界では、何が著作物に該当するのか、どのような行為が著作権の侵害に該当するのか、などが重要となります。本書では、これらの内容について、重点的に解説されています。

また、急速に発達するIT関連の技術や情報のネットワーク化は、著作権法、非常に重要な論点です。この点について理解するには、法律理論の知識のみならず、IT関連の知識も必要です。本書では、これらの点についても、わかりやすく解説されています。

著作権として秘密情報を保護するために活用

秘密保持契約書との関係では、本書は、特に情報漏洩があった場合における秘密情報の保護の方法として、著作権で秘密情報を保護する方法を検討する際に活用できます。

著作権は、不正競争防止法の営業秘密と並んで、情報を秘匿したまま保護することができる制度です。このため、秘密情報を保護する場合は、営業秘密による保護と同時に、著作権による保護も検討するべきです。こうすることで、万が一、秘密情報が営業秘密として保護されない場合に、著作権による保護を受けることが期待できます。

本書では、豊富な判例の掲載・解説がなされています。著作権法は、その性質上、抽象的な規定が多く、具体性に欠ける内容となっています。このため、単に法律の条文をなぞるだけでは、内容の理解は難しいものと思われます。

この点について、本書では、判例を多く引用し、訴訟となった事件を具体例として使用することで、条文の具体的な解説をおこなっています。この点については、巻末の判例索引とあいまって、実務書として、非常に使いやすい内容となっています。また、単に文章のみで解説するのではなく、写真、図表、文章も豊富に掲載し、実際にどのような著作物が問題となるのかがわかるように配慮されています。

秘密情報が著作権で保護されるかどうかは、秘密情報が著作物であるかどうかにかかっています。本書では、事業上の情報が著作物に該当するかどうかの事例が豊富に掲載されています。このため、本書を参考にすることで、秘密情報が著作物に該当するかどうかを判別することができます。

なお、本書は、著者が巻頭の「はじめに」で「読者の対象は、法律家、著作権ビジネス業界で専門知識を有する方々が参照できる程度のもを目ざした。しかし、初学者や学生の方々にも役に立つよう平易な解説を心がけた。」と記載しているとおり、契約実務上、内容の理解には、一定の専門知識を必要とします。

後半の記述のとおり、初学者や学生の方々にとって内容が理解できないわけではありませんが、まったくの初学者の方々は、あらかじめ簡単な著作権についての入門書をご覧になったほうが、よりよく内容を理解できるものと思われます。

関連書籍

スポンサード リンク

ユーザー支援

最終更新日2011年9月23日