秘密保持契約が必要な場合

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3.取引が終了した場合

通常、取引が終了した場合は、特に改めて秘密保持契約書を取り交わす必要はありません。

ただし、実際に取引おこなう際に、しっかりと残存条項を規定している秘密保持契約書を取り交わしている場合に限ります。



このように、一般的な企業間の取引においては、残存条項さえしっかりと規定していれば、特に取引が終了したにまで、秘密保持契約書を取り交わす必要はありません。

ただ、これが、従業員との労働・雇用契約ということになれば、話は別です。

これには、日本の労働・雇用契約の特殊な事情が関わってきます。



一般的に、従業員との労働・雇用契約を結ぶ際には、誓約書や宣誓書という形式で、秘密保持義務を課します。
(もちろん、秘密保持契約書を使うこともあります。)

これ自体は、就業期間中に有効となる、一種の契約書ということになります。

問題は、この誓約書や宣誓書が、退職後にも有効かどうか、という点にあります。



一般的に、日本の企業は、従業員との間で、雇用・労働契約に関する詳細な契約条件を課していることはまずありません。

これは、一般的な日本の雇用形態が、新卒採用という形で採用し、その後は従業員の適正や実績に応じて、ジョブローテーションによって業務を定期的に変えていくという雇用形態であるからです。

つまり、採用時(労働・雇用契約を結んだ時点)では、将来、従業員がどのような業務に携わるか、まだわからないということです。

これを、秘密情報の観点から捉えると、従業員は、採用時にどんな秘密情報を開示されるか、まったくわからないということになります。

こんな状態で従業員に誓約書や宣誓書、あるいは秘密保持契約書を書いてもらったところで、そんな秘密保持義務が退職後にまで有効となるかどうかは、非常に疑問です。
(もちろん、就業中は、当然に秘密保持義務は有効です。)



このように、労働・雇用契約を結んだ時点で、同じように結んだ秘密保持契約は、退職後には有効とならない可能性があります。

ですから、従業員とは、退職時に、改めてこれまでの就業時に得た秘密情報を守秘するように、秘密保持契約書を取り交わすことになります。

なお、この際、秘密保持義務の実行性を確保するために、競業避止義務も付け加えておきましょう。



また、できれば、従業員と労働・雇用契約を結ぶ時点や、従業員の退職時だけでなく、従業員の部署が変更となる時や、新規プロジェクトなどを立ち上げる際にも、秘密保持契約書を取り交わしておきましょう。

従業員に義務を課すこと自体も重要ですが、従業員に、秘密情報を取り扱っているという認識を持たせることもまた、同じように重要なことです。

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