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特に重要な契約書

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2.雇用契約書(労働契約書)

一般的に、就職中の労働者は、特に就業規則や雇用契約書(労働契約書)によって秘密保持義務が課されていなくとも、秘密保持義務を負うものとされています。

また、同様に、競業避止義務をも負うものとされています。

つまり、企業の側からすると、一応、従業員に対しては、一定の義務を課していることになります。

そういう意味では、特に労働契約や雇用契約で、秘密保持義務を課しておく必要が無いように思われがちです。



ところが、この当然にして課されている秘密保持義務は、あくまで最低限のものでしかありません。

これだけで情報の漏洩を防ぐことは、事実上不可能です。

また、この当然にして課されている秘密保持義務は、あくまで情報の漏洩防止を義務づけているものに過ぎません。

つまり、この秘密保持義務によっては、漏洩してしまった情報を、第三者によって不正に利用されてしまうことまでは、防止できません。

そこで、より厳格な秘密保持義務を課し、情報の不正利用を防ぐために、秘密保持契約書を取り交わすことが必要となってきます。



秘密保持契約書を取り交わすことによって、企業は、従業員に対し、明確に秘密保持義務を課すことができます。

また、契約書による直接的な情報漏洩防止の効果も期待できますが、それ以上に、不正競争防止法の恩恵を受けることも期待できるようになります。
(というより、従業員と秘密保持契約を結んでいなければ、不正競争防止法による恩恵は、まず受けることはできません。)

秘密情報が不正競争防止法によって保護されるには、その秘密情報が、同法の「営業秘密」でなくてはなりません。

そして、その営業秘密には、3つの要件があります。
(詳しくは、営業秘密の定義を参照。)



経済産業省の「営業秘密管理指針」によると、いくつかの判例が、その3つの要件のうちのひとつの「秘密管理性」を充たすひとつの要素として、従業員との秘密保持契約書の存在を挙げていることを紹介しています。
(同指針27、28ページ他参照。)

つまり、情報の漏洩や不正利用を防ぐために不正競争防止法の適用を受けたいのであれば、秘密保持契約書を取り交わしておくことが重要となってくる、ということです。



不正競争防止法が適用されることによって、情報の漏洩だけではなく、漏洩した情報を不正に利用することをも制限することができるようになります。

これはつまり、従業員による情報漏洩を直接制限することができるうえに、万が一、そのライバル企業に渡ったとしても、不正な利用自体を制限できることを意味します。

もちろん、従業員と秘密保持契約書を取り交わしたからといって、そのことが直ちに不正競争防止法の恩恵を受けることにつながるわけではありません。

ですが、秘密保持契約書があったほうが、不正競争防止法による恩恵を受けることができる可能性が高くなります

そういう意味でも、従業員との労働・雇用契約の際には、秘密保持契約書を取り交わしておきましょう。

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