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情報漏洩があったら・・・

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1.最悪の事態を想定しているか?

契約というのは、ただ単に義務を課すだけのものではありません。

契約の本場であるアメリカやイギリスでは、契約書のことを「Divorce Document(離婚のときのための文書)」や、「Doomsday Sceinario(最後の審判の日=裁判の日のためのシナリオ)」といいます。

つまり、最悪の事態に備える書面である、ということです。



秘密保持契約書には、情報漏洩を抑止する効果があります。

ただ、どちらかというと、情報漏洩があった場合に、それ以上の秘密情報の拡大を防止し、迅速に損害の回復を図ることのほうが、より効果があります。

情報漏洩の抑止というのは、あくまで、情報漏洩があった後に、情報漏洩をさせてしまった契約当事者に課される義務や責任によって、間接的に担保されてるに過ぎません。



例えば、一般的には、秘密保持契約にも、他の契約と同様に、損害賠償責任が規定されています。

では、それだけで十分といえるでしょうか?

そうではありません。

ただ単に損害賠償責任を規定しておく程度の秘密保持契約書なら、それほど取り交わす意味がありません。
(もちろん、ないよりはマシですが。)



情報の価値というのは、希少性を維持してこそ、保たれるものです。
(詳しくは、情報の価値を参照。)

これに対して、損害賠償責任というのは、原則として、実際に起こってしまった損害に対して賠償する責任です。

つまり、損害賠償責任は、将来、情報の価値が毀損するという損害に対しては、機能しない可能性がある、ということです。

ですから、情報漏洩があった場合には、実際に起こってしまった損害を回復することも重要ですが、それと同じくらい、将来発生する可能性があるリスクへの対策も重要です。



そういう意味では、実際に情報が漏洩してしまった場合には、どう処理していくのか、ということを考えると、もっといろいろと規定しておかなくてはなりません。

つまり、最悪の事態を想定して、いろいろとシミュレーションを重ね、その結果を契約書に規定しておく必要がある、ということです。

わかりやすく言うと、マニュアルを作る作業に似ています。

もともと、契約書にはマニュアルとしての機能もあります。

ですから、万が一、情報が漏洩してしまった場合のマニュアルを、秘密保持契約書に埋め込んでしまっても構いません。

ただし、マニュアル的な内容を充実させていくと、どうしても契約書の分量が多くなってしまいます。

そういう意味では、情報漏洩があった場合の対応マニュアルを、独立させて作っても構いません。

当然、秘密保持契約の中で、情報漏洩があった場合は、そのマニュアルに従って処理する、というふうに規定しておきます。

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