秘密情報って何?

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1.秘密情報の定義

秘密保持契約によって秘密保持義務を課す場合、最も問題となるのが、この秘密情報の定義です。

そもそも、漏洩させてはならない情報(=秘密情報)とは一体何なのか?

あるいは、漏洩させてもいい情報(=秘密情報ではない情報とは何なのか?

実は、この点が、契約当事者間で最も揉める部分です。

また、それだけに、最も契約書を作成するときに、苦労する部分でもあります。



情報を開示する側(以下、「開示者」とします。)にとってみれば、できるだけ多くの情報を秘密情報としておきたいところです。

というのも、どんな情報が、自社にとって利益を奪うものになるか、あるいは、損害を与えるものになるか、そう簡単に想定ができるものではありません。

つまり、「漏洩してもいい情報」が何であるのか、まったく想定がつかない、ということです。

そうなると、いっそ、何でもかんでも秘密情報というふうにしてしまえば、開示者が開示した情報は、すべて秘密情報として保護されることになります。

また、義務を課す側の、とにかく相手に厳しい義務を課してしまいたくなる心理も、そうした考え方に影響を与えます。



一方、情報を開示される側(以下、「受領者」とします。)にとってみれば、逆にできるだけ少ない情報を秘密情報としておきたいところです。

というのも、あまりにも多くの情報(場合によっては開示されるすべての情報)が秘密情報とされてしまうと、管理するだけでも大変です。

そうなると、それだけ多くのコストがかさむことにもなります。

また、それだけ多くのリスクを抱えてしまうことにもなります。

さらに、漏洩してしまったところで特に損害が発生しないような、極めて有用性に乏しいような情報まで秘密情報にされてしまうと、実際にはほとんど損害が発生していないにも関わらず、損害賠償の責任を負うことにもなりかねません。



つまり、秘密情報の定義を巡っては、開示者と受領者の利害が、完全に対立することになります。

ただ、どの契約であっても、こうした利害を巡って対立するポイントというのは、少なからず存在します。

こうした対立の際に、どのように妥協点を見出すのかが、契約交渉のポイントとなってきます。

また、お互いの将来のために契約を結ぼうとしているわけですから、ある程度は歩み寄りながらの契約交渉をしなければなりません。



秘密情報の内容や相手の立場によっては、あまりにも厳しい内容での秘密情報の定義は、民法第90条(公序良俗)違反によって、無効とされる可能性があります。

ですから、開示者の側の、一切の妥協をしないというような態度が、逆に自分の首を締めることにもなりかねません。

ですから、できる限り、ビジネスの実態に合った形で秘密情報を定義づけるようにしましょう。

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