秘密保持契約書の達人

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使用者の限定とその管理監督記事一覧

「会社=役員・従業員」ではない秘密保持契約に限ったことではありませんが、事業者間の契約の当事者は、法人です(個人事業者、任意組合、人格のない社団などの特殊なケースを除く)。通常の事業者であれば、株式会社や有限会社が該当します。このため、秘密保持契約による秘密保持義務を負う主体は、法人そのものである株式会社や有限会社などです。この点について、実際に秘密情報を取扱う当事者が問題となります。秘密情報を取...

「契約当事者以外の者」はすべて第三者一般的な秘密保持契約や他の契約では、秘密保持義務として、次のように規定されます。第○条(秘密保持義務)甲および乙は、相手方から開示された秘密情報を第三者に対し開始し、または漏洩してはならない。この「第三者」とは誰なのかという点が、問題となることがあります。一般的な契約実務では、第三者とは、契約当事者以外の者をいいます。これは、秘密保持契約においても同様に考えて差...

秘密保持契約における第三者で解説したとおり、受領者による第三者の定義の誤解(または恣意的な解釈)により、本来開示されるべきでない第三者(例:業務委託先・下請け先)に対し、秘密情報が開示される可能性があります。このような秘密情報の開示を防ぐためには、第三者の定義を明確にする方法も有効ですが、同時に、そもそも秘密情報を開示してもいい第三者を明記したうえで、これらの者以外に対する開示を禁止する方法も有効...

情報は人を介して流出する秘密情報が漏洩する原因を様々ありますが、受領者の内部的な原因のひとつとして、労働者の故意または過失による漏洩があります。具体的には、例えば、ノートパソコンの持ち出し、Winny(ウィニー)などのファイル交換ソフトのインストール、不用意なファイルの取扱いなどのサイバーアタックによるウィルスへの感染、顧客リストの持出し(横領・窃盗)などがあります。このような事態を防止するために...

機密性が高い情報が漏洩するリスクがある秘密情報が漏洩する原因を様々ありますが、受領者の内部的な原因のひとつとして、役員等の故意または過失による漏洩があります。労働者による情報漏洩に比べると件数自体は多くないようですが、その代わりに悪質なケースや甚大な被害になるケースもあるようです。具体的には、例えば、Winny(ウィニー)などのファイル交換ソフトのインストール、事業の企画を持ちだしたうえでの競合他...

「業務委託先」の存在を常に意識する企業間の取引において、契約当事者が契約を履行するために業務委託先を利用することはよくあることです。むしろ、契約当事者が単体で契約を履行することのほうが少ないケースであると思われます。これは秘密情報の開示がともなう契約であっても同様です。他方で、日々報道されているように、業務委託先からの情報漏洩は後を絶ちません。ある意味では、業務委託先は、最も情報漏洩のリスクが高い...

有資格者(士業)は当然に秘密保持義務を負う企業経営に関わる外部専門家の多くは弁護士・公認会計士・弁理士・税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士などの、いわゆる「士業」と呼ばれる有資格者・国家資格者です。これらの外部専門家は、刑法や各資格の業法(根拠法)によって、秘密保持義務や守秘義務が課されています。このような刑法や業法にもとづく秘密保持義務や守秘義務は、あくまで外部専門家を規制する公法上の義...

派遣会社は派遣先に対して秘密保持義務を負う派遣会社は、労働者派遣業法第24条の4により、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密について、秘密保持義務を負います。労働者派遣法第24条の4(秘密を守る義務)派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の...

学生は大学と雇用関係にあるわけではない民間企業が大学を相手としてなんらかの契約(共同研究開発契約や臨床試験業務委託契約など)を結ぶ場合、その契約には、契約当事者としての学校法人や国立大学法人以外にも、様々な立場の関係者が登場します。そのなかで、問題となりやすい関係者が、学生やポスドクです。特に学生は、大学と直接的に労働契約や雇用契約を結んでいるわけではありません。このため、一般的な労働者とは違って...

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