秘密保持契約書の達人

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不正競争防止法と営業秘密の保護記事一覧

秘密情報を含む知的財産権を横断的に保護する法律不正競争防止法は、文字どおり、「不正競争の防止」と「不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ」ることを目的とした法律です(不正競争防止法第1条)。このサイトでは、主に秘密情報(=営業秘密)を保護する法律として取り上げることになりますが、この他にも、企業のブランドやドメインなど、企業の知的財産権を広く横断的に保護するための法律でもあります。不正競争防止...

不正競争防止法では、不正競争によって企業の権利が侵害された場合における民事的な救済手段が規定されています。この民事的救済手段は非常に強力なものですが、それだけに、厳格な要件を充たすことが求められます。民法にもとづく2種類の救済手段=不法行為・債務不履行(契約違反)一般的に、企業活動においてなんらかの損害を受けた場合は、その損害を受けた企業は、不法行為として、民法第709条にもとづく損害賠償請求をお...

営業秘密とは、不正競争防止法により保護される情報のことで、次の内容のものです(不正競争防止法第2条第6項)。不正競争防止法第2条(定義)6 この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。手続き不要で強力な保護を受けられる不正競争防止法は、営業秘密である秘密情報を非常に強力に保護して...

秘密管理性とは、その情報が「秘密として管理されている」(不正競争防止法第2条第6項)ことをいいます。不正競争防止法第2条(定義)6 この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。(強調下線部は管理人による)最も重要な営業秘密の要件秘密管理性は、営業秘密の要件のうち、最も重要な要件で...

有用性とは、不正競争防止法における記載としては、文字どおり、「有用な」情報であることとされています(不正競争防止法第2条第6項)。この点について、過去の判例では、「財やサービ スの生産、販売、研究開発に役立つなど事業活動にとって有用なもの」と判示されています(東京地裁判決平成14年2月14日)。このため、一般的には、事業上の経済的利益をもたらすかどうかが基準となります。この点から、有用性は、営業秘...

非公知性とは、その情報が「保有者の管理下以外では一般的に入手することができない状態にあること」です(経済産業省;『逐条解説 不正競争防止法(平成23・24年改正版)』2012年12月5日)。このため、刊行物、学会発表、インターネットなどを通じて、誰でも容易に入手できるような情報については、非公知性が認められません。これは、特許の要件でもある「発明の新規性」とほとんど同義といえます。人数の多い少ない...

経済産業省が策定した営業秘密を管理する指針営業秘密管理指針とは、その名のとおり、営業秘密の要件である秘密管理性を充たすための指針です。平成15年1月30日に経済産業省によって策定されましたが、その後、平成17年10月12日、平成22年4月9日、平成23年12月1日の改定と平成27年1月28日の全面改定を経て、現在に至ります。参考:最新版『営業秘密管理指針』内容としては、不正競争防止法の基本的な解説...

特許法上の発明は、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」(特許法第2条第1項)とされています。他方、営業秘密には、「技術上…の情報」(不正競争防止法第2条第6項)が含まれています。このため、発明にもとづく特許を受ける権利は営業秘密と多くの共通点があります。発明と営業秘密の要件の多くが共通する営業秘密の要件は、次の3つです。秘密管理性有用性非公知性他方、特許の要件は、主に次の3つです...

自然発生するため権利取得の手間・費用がかからない営業秘密と著作権は、ともに法的な手続きを必要とせずに発生する権利です。このため、要件さえ充たせば、当然に保護されます。官公署等で煩わしい手続きをおこなったり、金銭を支払ったりすることは、必要ではありません(ただし、一定の手続きを経たほうがより強く保護される可能性があります。後述)。このように、権利の取得のため(≠維持のため)の費用があまりかからない、...

文字どおり「公に証明する」制度公証制度とは、「国民の私的な法律紛争を未然に防ぎ、私的法律関係の明確化、安定化を図ることを目的として、証書の作成等の方法により一定の事項を公証人に証明させる制度」です(法務省:公証制度について)。情報を秘匿して保護する制度として、不正競争防止法の営業秘密の保護制度には、多くのメリットがあります。しかしながら、「秘匿して保護する」という性質上、営業秘密の存在そのものを証...

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